「パスカルの恋」駒井れん
この小説は2003年の「第14回朝日新人文学賞」を受賞した作品です。
私には似合わないタイトルだとお思いでしょう?確かに。
女性が読んだら、こんな恋の仕方もあるのかな?と思うような、男にとっては主人公の心理が普通なのか特殊なのか?女は良くわからないよ!っていうような恋愛小説です。
なぜこの本を読んだかというと、
著者は”駒井れん=石井睦美の別名”。石井睦美さんは1990年に「5月のはじめ、日曜日の朝」で第三回毎日はないちもんめ童話大賞を受賞以来、童話、児童文学作家として多数の著作や翻訳で活躍していますが、彼女の大人向け小説の筆名が”駒井れん”
私は彼女の一番長~いファンだと自負しています。それにしては7年前の作品を今頃読んでいるのかというご指摘もあろうこととは思いますが、それはさておき。
私が初めて読んだ彼女の作品は「”橋のない川”を読んで」でした。これは部落問題を題材にした住井すゑさんの長編小説の読書感想文で、市か県の読書感想文コンクールで入賞した作品です。
その頃(小学校5,6年)の私の読書感想文といえば、半分はあらすじで、最後に”~とおもいました”で終わるお粗末なもの。それなのに彼女は課題図書でもなかった長編(この頃はまだ完結しておらず最初の1冊目か2冊目だったと思う)の”橋のない川”を読んで、私が知りもしなかった部落問題について、自分の意見をしっかり入れて書かれていたことに、同じ年齢でこうも違うのかと思ったことを鮮明に記憶しています。
それ以来ず~っと彼女のファンなんです(作品以外でもね)。 だから「5月のはじめ、日曜日の朝」が童話大賞を受賞したと聞いた時には自分のことのように嬉しかったのを覚えています。
元に戻って「パスカルの恋」ですが、主人公”皓子”が自身の恋愛を淡々と語ってゆくので大きな盛り上がりが無く、「1Q84」を読んで眠くなってしまう私はまた同じ暗示にかかってしまうかと思いきや、何か文章に独特のリズムのようなものが感じられ3日で読み終わりました。最後二人はどうなったのかが気になりますが。
石井睦美さん、次の作品も期待しています。がんばれ!
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