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2010年6月 2日 (水)

「アパラシオン」石井睦美

石井睦美さんの「アパラシオン」を読みました。Cimg2075_2

以前、記事に書いた「パスカルの恋」の駒井れんさんの15年前の作品。

絵本作家の彼女が初めて書いた恋愛小説なんだそうです。

それにしても7年後に名前を駒井れんとして「パスカルの恋」で朝日新人文学賞って、新人の部類に入るの?別にケチをつけている訳ではありません。「アパラシオン」が面白かったからです。

主人公の”浩平”は私に良く似たタイプ。”環”のような女性が現れたら自分もきっと”浩平”のようになってしまうのだろうと思いながら読んでいると感情移入してしまい、読み終わった時には自分が失恋をした気分になっていました。

アパラシオンって”出現”という意味なんだそうです。

私にとってのアパラシオンは、小学校4年生の頃、いつも遊んでいる広場の横をピアノを習いに通う可愛い女の子。小さな村なので知らない子はいないはずなのにと不思議に思っていると、新学期になってその子が転校して来ました。ちょっと嬉しい気分。

小学校、中学校では仲良しでした、違う高校に行ってからは忘れてしまったかのように会うこともなかったのですが、高校卒業後に偶然電車で会い学校をサボってデートをした覚えがあります。

私の記憶には鮮明に残っているのですが、彼女の記憶の中に私は居るのでしょうか?

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