今日は父が亡くなってから百一日目、通常百日忌はよく行われますが、神奈川の一部地域では百一日目に伊勢原市大山の「茶湯寺」にお参りに行く「百一日参り」という風習があります。
亡くなられた方の霊は、四十九日まで其の家の棟の下にいて、五十日めから黄泉路の旅へ出発するそうです。四十九日に菩提寺にあげる四十九個のおもちを、一日一日のお弁当とし、家族が毎日お佛壇にそなえるお水でのどをうるおし、百ヶ日めに極楽の門に至り、仏様に成られます。この日が百日忌。
百一日目は、仏様と成られた故人が、御先祖様の仲間入りの為に我が家へ帰る日であり、家族は故人が無事に成仏したお礼詣りに、大山茶湯寺へ参拝しますが、それを知っている仏様は、茶湯寺の石段で家族の来山を待っているといわれます。
という訳で、我が家から20分ばかりの大山まで行ってきました。
新緑の頃の大山は、休日にはハイキングや登山客で賑わいますが、今日は平日なので人影はまばら。バスターミナルの上にある駐車場も空いていました。
土産物屋のある大山雨降神社の参道の階段を3分程登ると、階段に「茶湯寺」の案内が書いてあります。

家の軒下のような細い道を通り抜けると、小さな渓谷に架かった橋が現れます。ここが「茶湯寺」の入り口。

大山には何度も行っていますが、こんなところに渓谷や小さな滝があったなんて知りませんでした。新緑の頃もいいですが、紅葉の頃も素晴らしそうです。
本堂まで登る階段の両側には沢山の石仏があります。
本堂横にはかわいらしい「わらべじぞう」が並んでいます。
本堂横の入り口で百一参りの供養をお願いすると、本堂横の部屋に案内され、申込書を書きます。
下調べもろくにしていなかったため、この時初めて知ったのですが、通常は事前に予約をするようで、私のようにその場でも受け付けてもらえますが、受付は二時までだそうです。予約をしていないと休日などで申し込みが多い日はだいぶ待つようになるかも知れません。
そして申込書には戒名を書く欄が!私は不謹慎にも父の戒名のあと1文字が思い出せず名前で供養してもらいました。
お参りされる方は戒名を忘れずにメモして行きましょう。
ちなみにお布施の額は決まっていませんのでお気持ちでということです。
私ですか?5000円を包みました。
本堂には「茶湯殿」と書かれた額と、天井には沢山の花が描かれています。
そして仏壇の正面には伊勢原市の重要文化財でもある「釈迦涅槃像」が横たわっています。
このお寺はたまたま父の菩提寺と同じ浄土宗ですが、百一日参りの読経は独特で、浄土宗の「南無阿弥陀仏」の語句は出てきませんでした。
読経が終わると、住職より
「ご苦労様でした。この涅槃像の図は お仏壇に飾ってください。こちらの梵字 のお札は、お墓参りをしてお墓の土に埋めるか、またはお墓で燃やしてその灰をお墓に撒いてください。家に帰ったら御供茶でお茶を入れてお仏壇に供え、それから皆様も召し上がって下さい」と読経の続きのような抑揚で言われお札とお茶、お菓子をいただきました。
帰り道、父に似た人を見かけないかと探してみましたが合うことが出来ませんでした。
実は1週間前まで、101日目は昨日の5月12日と数え間違えていて、妻は早々と有給休暇を取っていましたが、今週になり数え直したところ5月13日だということが判りました。
妻は休みを変更できず、しかたがなく昨日お参りに来ましたが、帰りに父に似た人を見かけたそうです。
きっと、日にちを間違えて来ると思われるおっちょこちょいの息子のために、一日早く待っていてくれたのかも知れませんね。
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