村田沙耶香著「コンビニ人間」読了
次の芥川賞の候補がノミネートされた今頃になって「コンビニ人間」を読み終わりました。
ページ数も少なく読もうと思えば1~2時間で読み終えてしまうのですが、この本を買った時に私は別の本を読んでおり、先に妻が読みたいと言って読み始めたのはいいのですがちっとも読み終わらず、結局私が横取して先に読了しました。
芥川賞受賞からだいぶ経ってしまったので、作品を読む前に作者のプロフィール情報などが沢山入ってきてしまいました。
作者自身が週3回コンビニでバイトをしていたり、作家仲間から「クレージー沙耶香」とよばれていたり、ラジオやテレビのインタビューの内容などで、自分の中で「コンビニ人間」の主人公はどんな異常な人間なんだろうと想像が膨らんでしまいました。
さて、本を手に取ってみると比較的薄く、芥川賞らしくない文章で分かりやすい内容でした。
主人公の古倉恵子は想像していたよりは異常ではなく、普通よりも喜怒哀楽が無くて、考えがちょっと短絡的程度。
普通の人間社会で生きてゆくためのマニュアルが必要で、まさにコンビニ的マニュアルが無いと変人扱いさてれしまうというような人物。
私が想像していたより異常では無いと感じたのは、自分が主人公に似て喜怒哀楽が少ないからなのでしょうか?
作品の中で主人公が怒りを感じたことが無いということが描いてありましたが、そういえば自分も今まで怒りを表面に出しすほど怒ったことが数える程しか無く、家族、親族が亡くなっても泣いたことが無く、嬉しいことがあっても嬉しさをうまく表現できなく、嬉しくないの?と言われたこともたびたび。
主人公とちょっと似ていて共感を覚えました。
コンビニ店員である主人公から見た他の店員とお客の、”あるある”という鋭い描写が面白いです。
作者の他の作品も異常な世界が描かれているようなので読んでみたいですね。
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